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コロナ期間に初めて破れた「国家」!?

コロナ期間に初めて破れた「国家」-ハット・リバー公国赫特河公國Principality of Hutt River

ハット・リバー公国 の国章)
ハット・リバー公国 の国旗)

ハット・リバー公国(Principality of Hutt River)とは

ハット・リバー公国赫特河公國Principality of Hutt River)は、オーストラリアに存在する非公式のマイクロネーションです。1969年にオーストラリアの農夫であるレオナルド・ジョージ・カジョンカが、税金の納付に抗議するために自らの農地を独立国家と宣言したことに始まります。

赫特河公國は、西オーストラリア州に位置し、オーストラリア本土から約500キロメートルほど内陸に位置しています。公国としての存在を主張し、独自の憲法、通貨(ハット川ドル)、切手、パスポートなどを発行しています。また、公国の経済は農業や観光業に基づいています。

オーストラリア政府は赫特河公國の独立を認めておらず、法的にはオーストラリアの一部とされています。しかし、赫特河公國は観光名所として知られており、一定の訪問者を受け入れています。

赫特河公國の創設者であるレオナルド・カジョンカは、2017年に亡くなりましたが、公国の運営は彼の家族によって引き継がれています。ただし、赫特河公國は非公式のマイクロネーションであり、国際的には認知されていない独立国家です。その存在や地位については、国際法的な観点からは議論の余地があります。

赫特河公國は「過去」の観光名所

赫特河公国Principality of Hutt River)は、実際の主権を持たないマイクロネーションですが、パスポートやビザ、切手、そして通貨である「赫特河元」(ハットリバーダラー)を発行しています。訪問者は、1オーストラリアドルを1赫特河元に両替することができます(約日本円63円)。公国内の記念品店で記念品などを購入することもできます。

さらに、公国内には王室のコレクションが展示されており、中でも有名な展示品は、カナダのアーティストによって制作されたレオナルド王子の半身像です。そのため、数十年にわたり、世界中からの観光客が赫特河公国を訪れて巡礼します。

赫特河公國はコロナ期間、初めて破れた「国家」に

オーストラリア政府は赫特河公国の「独立」を禁止していませんが、公国の「皇族」はオーストラリア政府に税金を納付する義務を持っていると主張しています。

しかし、レオナルド王子とカスリ王子は、政府の司法権が赫特河公国を含まないと主張し、税金の支払いを拒否しています。現在、彼らは約300万オーストラリアドル(約日本円1億9千万円)の税金を滞納しています。

2020年度、オーストラリアでは新型コロナウイルスの感染者数が22,358人に達しており、そのうち西オーストラリア州では644人の感染者が確認されています。

カスリ王子は、巨額の税債に加えて、今年1月のパンデミックの発生後、公国は観光客を受け入れなくなり、主要な観光業の収入が激減したことを述べています。これが公国の解散の重要な原因であり、「父親が50年間築き上げた国家が私の手で終わるのを見るのは悲しい」と語っています。

参考資料: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%AA%E3%83%90%E3%83%BC%E5%85%AC%E5%9B%BD#:~:text=%E3%83%8F%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%AA%E3%83%90%E3%83%BC%E5%85%AC%E5%9B%BD%EF%BC%88Principality%20of,%E3%81%A8%E3%81%97%E3%81%9F%E5%9C%B0%E5%9F%9F%E3%81%A7%E3%81%82%E3%82%8B%E3%80%82